うなぶろ〜∈(゚◎゚)∋

思い付くまま詩を書いてます。

glove

当たり前のように温もりがあって
触れる手が 体があって
髪の匂い 優しい匂い
随分前の事なのに 鮮明に思い出せるよ


手に入れた気分になったら
それ以上を求めちゃう僕たち
どこまで求めれば気が済むんだろう?
どれだけ失えば気が済むんだろう?


何かを捨てて 見えもしない何かを手に入れようともがく時 足掻く時
確実に何かを失っているんだと
そしてそれは
二度と返って来ないんだと


悟った気分に浸ったってさ
また繰り返すんだってさ


痛みに対して涙が出なくなったのは
強くなったんじゃなくて 感じなくなっただけ
絶望に対して抵抗しなくなったのは
強くなったんじゃなくて 冷めているだけ


あの日 あの時 あの瞬間に
君が欲しかった言葉
今ならハッキリ分かるし 言えるけど


あの日の僕は
きっと悲しみしか与えてなかったんだろうなあ


あの時の僕は・・・


幸せそうな人たちは 運が良いんじゃなくて
幸せと口に出して言える人たちは たまたまなんかじゃなくて
きっと 積み重ねてきただけなんだろうなあ


当たり前のように 大切な人を守ろうとするって事を


自分に非が無いなんて誰にだって言えるから
そうじゃなくて そんな事 主張したって大した意味もないし
あなたの声を聞いて あなたの気持ちに身を寄せて
あなたの言葉の意味を その一つ一つを
噛み締めて
考えて
両の手を広げて 受け止めて居られたなら


今更だけど 大事だと思うのは
好きだって気持ち


どこかに置き忘れてきた気持ち
そんな気分になるのは
僕が積み重ねて来なかったから?
僕が向き合えていなかったから?


分からなくなるからさ
分からなくなるなりに
今更だっていい
ただ手を伸ばしてみよう
この際 面倒な事は全てシカト
ただ手を伸ばす事だけを考えて
至ってシンプルに 安直に
前とか 上だけ
そこだけに集中した目線を送って


今や雲の上の話


雲の下から見上げるしかなくたって
見上げないよりはマシさ
そのうち 風が全てを流して
新しい景色を見せてくれるかも
覆いかぶさった雲を流して
その先にある どっかに忘れてきた大切な事を
感情を・・・


顎の角度は 常に上向きで行こう
こんな時だからこそ
少し上に目をやれば 真っ直ぐ見上げられるくらいに


いつか晴れるさ


今や雲の上の話
何度か掴みかけた景色
俯いても何も無いから
上向きの角度 顎を上に上げて


いつでも真上を向けるように






2011.9.10